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夏目 漱石

岩波書店

カテゴリー:Book

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カスタマーレビュー

舞台を現代社会に移し替えて想像しながら読んでみたい  (2007-10-31)
登場させられる主要人物は、猫の主人である中学教師をはじめ、金持ちやいわゆる大学出と思われる文化人、すなわち当時のエリート達、それも比較的身のまわりにいる人達である。新生明治を現場で引っぱった人々である。猫の目をもって、それらエリートを風刺し、また彼らの会話・行動を通して互いとその社会を風刺する。落語や戯作という伝統的語り口が、歯切れ良く効果的である。猫に語らせることにより、漱石をも含む文化人達を対象化して洒脱、饒舌をもって風刺することをやってのけた。つまり、主な流れは歯切れ良い社会批評である。

そこで考えた。舞台を、現代社会に移し替えて「吾輩は猫である」とやらかしたら、どうなるか?それをやった人は、調べてみたら、漱石の弟子内田百けんをはじめ今までにもいたらしい(未読)。しかし、現代こそ、それをやる価値があるのではないか。政治家、経済人、文化人、教育者、男女関係など、明治後半に比べると多様化し随分違うように見えるけれど、その実はさほど変わらず、落語、戯作風語り口は現代受けしそうではないか。ということは、この小説を現代物として想像しながら読む、という読み方ができるということではないか。そうだ、それをやってみよう。

なお、読むにあたって、現代人には分からないことがずいぶん書かれている。当時は、人口に膾炙したフレーズであっても、現代人には馴染みが薄いことも多い。それらを注解してくれるとありがたい。この岩波文庫版、それに角川文庫版は注が少ない。新潮文庫版の注は50頁余。筑摩文庫版は、その頁に注がついていて、注を見ながらの読み方には便利である。

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考えさせられます・・・  (2007-02-09)
この本のテーマは、単に滑稽な人間生活の風刺にあるのではなく、文明開化に伴う個人主義の普及に伴う社会生活上の軋轢にあると思います。例えば、本書の中でも触れられているように、明治期以前には家制度の下で「家長」の権威が絶大であり、他の構成員は家長にただ同調し、結果として家庭内秩序が維持されていました。しかし、個人主義が普及するにつれて、自意識が高まり、各々が自己主張をするようになると、家庭内崩壊さえ招くと言うのです。漱石は登場人物に、「結婚の究極の形態は別居である」というような趣旨の発言さえもさせています。

正直、本書をよく読んでみても、単に「自己主張→秩序崩壊」という図式が主張され、必ずしも説得的であったようには思えませんでしたが、個人主義の生み出す様々な社会生活上の問題点は現代にこそ通用すると思うので、本書をきっかけにして、現代を捉えなおす良い機会にしてみてはいかがでしょうか?

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昔から大好き。  (2007-01-27)
庶民の発言は恐縮ですがとにかく面白いです。

頭が悪いため難しい本は基本的に読めないんですが、これは平気。
時代の違和感は、私にはそれほどありません。
センスのことであって、文化的なことや言い回しは全然違いますけど。

内田百閧フ「ノラや」も情けない文豪の姿を垂れ流していていましたね。

でも☆4つなのは、結末が気に入らないからです。
猫好きですから。

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名無しのままで・・・  (2006-10-04)
 「吾輩」には「名前」がありません。生まれて間もなく捨てられて、仕方なく中学教師の‘くしゃみ先生’の家に住み込みます。人間は不徳なものだと車屋の猫‘黒’に教えられ、人間を観察することになります。
 くしゃみ先生のもとには美学者の迷亭、門下生の水島寒月、詩人東風などの知識人(変人?)が集まっては太平楽を並べています。
 一方、金の亡者の金田一族のような人間もいます。寒月と噂のあった金田の娘が他の人と結婚することがわかり、主人達はビールで気炎をあげます。そのビールを飲んだ「吾輩」は酔っ払い、そして・・・

 猫の目線で人間社会を観察比評するという当時としては新しい手法と、全体的にユーモアが満載なところが良いです。

 人間とは度し難い存在なのでしょうね・・・

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面白すぎる  (2006-04-01)
猫好きにはたまらない本です。面白おかしく、そしてかわいい猫の
しぐさと行動。そして猫の視点から見た人間の姿。
登場人物も非常に個性的で、何度も笑わせられました。
この作品は長くて、色々なことが詰め込まれていて読みにくい部分も
多かったのですが。それを補って余りある面白さだと思います。
個人的には漱石先生の作品の中では1番好きです。

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