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朝日新聞社
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カスタマーレビュー ![]()
さりげない大人のエッセイ
(2008-05-06)
書いていることは地味に感じるかもしれません。批評めいた内容はなく、自己主張がほとんど
感じられないので、地味な印象かもしれません。しかし、エッセイを書くこと自体が、自己の
視点の表現であるので、自己主張なのです。
ということで、何を表現しているかというと、生活への愛着と、他人への愛情ですね。
武蔵野での生活に対しても、重慶、インドに住んでいる人々にも愛情がわいてきます。
ということで、とてもとてもいい本です。
風景を美しく切り取ったや、現実の本質を突きつけるような写真(手抜きなしです)と
短いですけど2ページに端正な文章で丁寧に綴られた文章。繰り返しますが、そういう
”作りのよさ”にも愛情が感じられるいい作品です

写真ライフを応援してくれるサプリ
(2007-08-04)
写真家が書いたエッセーである。50編の話が1冊の本にまとめられ、それは全て「写真を撮る」という行為の「ごほうび」に基づき書かれている。
著者は、カメラを持つことは、面白くない人生には違いない(「海辺の出来事 インド」より)、体は悲鳴を上げているのに「もう撮らない」という決断はなかなか下せない(「花屋の主人 重慶」より)と述べている。けれども、カメラを持っていると、素敵なことも時には起こり(「写真屋稼業 インド」より)、本当に忘れられない街になった(「花屋の主人 重慶」より)とも述べている。
カメラを持ち歩き、写真を撮るという行為を続けていく生活は非常に体力を使う。本書はそんな生活を応援してくれるサプリだと思う。

期待通りの一冊。
(2007-05-31)
『銭湯の女神』から星野博美を読み始めた。この人の人間に対する視線は、いつもさりげなく優しい。新刊が待ち遠しくなる作家の一人。
この本も期待に違わず、著者の本業(?)の写真と組み合わせた短いストーリーが、心をジワーと暖かくしてくれた。
ちょっと残念だったのは、最後の『花畑』の花がマリーゴールドだったこと。花畑だったら、れんげそうやクローバー、せめてコスモスが良かった。勝手な思い込みではあるが。
今日は散歩をしよう、そんな気持にさせてくれる一冊。

優しい眼差しに親しみ湧く
(2007-05-03)
タイトルが気に入ったので買った、中身をよく読まずに…。このフォトエッセー全体にかむる題名かと錯覚していたが、本書所収50編の中の1編の小タイトルだった。それでも、私は裏切られなかった。わずか見開き2ページには大略次のようなことが書かれていた。
その日は、朝からなんとなくいい感じだった…武蔵野…迷子になるには最適の日だった…毎日迷子になっているわけにはいかない…帰巣本能・体内時計に縛られている…迷子になろうとしても迷子になる自由すらない…その日もやはり、迷子になれなかった…家の近くまで帰って夕焼け空を口をぽかんと開けて見上げていたら、通りかかった見知らぬ女の子が「すごいね」と言った。私も「そうね」と言った。今日は迷子にならなくてよかった…次のページ見開きに夕焼け雲の美しい写真を載せている。
私たちは「迷子になる自由すらない」日常に縛られているが、その合間合間にかけがえのなく美しいもの・優しいものに触れられる自由を得ている。それを象徴するのがこのメインタイトルのエッセーだろう。
本書に掲載された作品は「東京」「インド」「重慶」のふとした街角の小景・風物・人間のたたずまいが多く、「記憶喪失」の歯止めくらいの肩肘張らない制作になっている。本書はそのような【親近感の湧く爽やかさ】漲る一書である。

空気感が気持ちいい
(2007-02-14)
写真とエッセイが交互に入っている、フォトエッセイ。
東京、インド、重慶の身近にある何でもない風景や光景を写した写真なのですが、
そこに自分が入り込んでいるかのような空気感がとても気持ちいい。
またエッセイによって、それぞれの写真に対する作者の思い入れがわかり、
別の角度から写真を楽しむこともできます。
晴れた穏やかな天気の日に、散歩をしながら外で読みたくなりました。

