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発売日:2008-07-10
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寂然と身悶えの最新刊
(2008-07-10)
1巻につき全4話の短編『付喪堂骨董店』の最新刊。
1.『影』--劣等感などから人知れず穏やかに過ごしたい、ってのは誰もが1度は考えることだと思う。
実際には社会や家族や友人などからは逃げられないし、離れたくない。しかし、それが叶ってしまったたらどうなるか…。
『影が薄い』が比喩ではなく実際に起こったら、と云う骨子はありきたりながら、刻也と咲の軽いラヴコメやりとりに、ゲストキャラの葛藤の末の落ち。
仄かな明暗が描かれる『付喪堂骨董店』らしさが出ている話。
2.『ギャンブル』--すったもんだで女が景品となり、それを守る(奪う)ために戦う男達、とえらくマッチョな話だけれど、刻也と咲のもどかしい二人がいるだけで頬がゆるんでしまう。
『付喪堂骨董店』は刻也と咲に「ああ、もう!」なんて悶えてしまうラヴコメなんだな、と再認識させられる話(笑)。
3.『小指』--ツインテールの幼馴染と、本作にしては如何にもラノベ的キャラが出てきて面食らった。
しかし、性格や落ちは一筋縄ではいかないのが『付喪堂骨董店』。
ラヴコメ臭を前面に出す割に刻也と咲はおとなしめ。
本作(作者)は本筋とキャラの出し入れが実に巧いと思う。
本書では1番好きな落ち。
4.『秘密』--前話から軽く繋がる、1巻から続く『4話目は二人の話』
本書の人気は、刻也と咲、男女の想いがどちらも等しく丁寧に描かれるからだと思う。
男の視軸、女の視軸。そして、それが年頃らしいニヤニヤしてしまうもどかしさを淡々と描かれる。
男性読者である僕が咲に感情移入し刻也を可愛いと思ってしまう(笑)、その軽妙。
各巻の4話だけ読み返す読者は僕だけではない筈。
いつにも増して挿絵の咲が愛らしい。
現在本作は4巻で絵の枚数もそれ程ではないから難しいだろうけど、イラストのタケシマサトシ氏の画集なんかも、本作の人気に乗って発売して欲しいと強く願う。
本書の総括としては、今回は含蓄が足りないような気もするが、仄暗い落ちとラヴコメと云う明暗の両立が売りの『付喪堂骨董店』らしさがよく出ていた巻だと思う。
既刊を既読のかたは文句なく楽しめるでしょう。
そして、新規参入のかたは1巻か本巻でシリーズ独特のノリが楽しめると思います。

