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講談社
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カスタマーレビュー ![]()
大まかな歴史検証と厳密な法的検討
(2008-01-12)
パール判事は、裁判後の来日時、判決書を通して歴史を学んで欲しいと言ったようですが、これは歴史書と言えるようなものではありません。
判決であるため当然ながら、焦点は被告の行為に刑事責任を問えるか否か、また訴追が罪を構成するか否かにあります。
その過程で平和に対する罪についての共同謀議の検討の章において、被告の戦争への関与と共に歴史的経緯が述べられています。
共同謀議の章は700ページ程あり判決書の半分以上を占めるものの、当然裁判の内容が大部分を占め、歴史的経緯はイギリスの研究者などの報告を援用する形に止まり、詳細な事実を知ることは出来ません。
例えばパール判事は、戦争に至る事情として日本には人口問題があったとしていますが、その実態にはまるで触れられない上に、人口問題と戦争との因果関係も検討していません。パール判事によれば、その因果を埋めるのは政策決定者の「浅はかな無思慮」であるとされます。
このような判決書は大東亜戦争を見直すための資料としては、残念ながら頼りないものと言わねばなりません。

入手が容易な資料として、価値大!
(2005-06-16)
本書では、パル(パール)判事の判決文の前に、
5人(これが研究会の会員?)による解説が先に載っています。
こういうのは本文のあとに載せるもののような気もしますが、
あまりにも大部(880ページある本書でもまだ半分!)なので、
要点を先に掴んでおくほうが有効なのかもしれません。
なんといっても裁判官の書く判決文(主張)だから細かく、
法律書を読み慣れている人や歴史に詳しい人以外(私のような人)にとっては、
そうそう簡単に読みこなせる本ではないですが、
それほど難解ではないので、
頑張れば流れ/注目ポイントくらいは分かると思います。

大東亜戦争肯定論の根底
(2005-05-27)
日本の戦争に関して圧力に負けずに法的観点より東京裁判を批判したパル判事の誠実さに感服しました。
はっきり言って彼の言っている事は日本無罪論です。
たまにこれを否定する言説を眼にする事がありますが、素直に読んでみれば分かる事なんですけどね。
なぜなら戦争権というものが国際法上伝統的に認められていて、第二次世界大戦当時(今でも)国家には戦争権というものが国際法上、合法的なものとして認められており、
どこの国もそれを否定することはできませんでしたし、「侵攻」の定義が決まったのは74年ですから「日本有罪論」の成り立ちようがないんです。
パル判事の論文を読みながらも無罪論を否定するような動きがあるのは「責任」と「罪」の違いが理解できていない人が多いからではないでしょうか。
A級戦犯は日本国民に「責任」は有りますが罪が無いのと同様に海外に対してもそうです。
日本は戦争に負けましたが、「犯罪」を犯したわけでもないので「罪」は当然ありません。
国際法は厳正に厳しく適応されなければならないと言うパル判事の論文は見事です。
パル判事は国際法委員会の理事にもなってますし、国内や海外の国際法学者の有名どころは私の知る限り彼の論文を支持してます。
靖国問題が近頃活発になってきていますが、日本は法治国家である限り「法の正義と信念」を貫かなければいけないし、A級戦犯と日本は無罪という基本を忘れてはいけない。そのためにはこの本は必要です。
初心者には難しい本ですから他のやさしい本から入った方がいいかもしれません。

訴追事項に対する無罪判決
(2004-11-28)
被告全員に無罪判決を言い渡したことで有名なパル判事の意見書です。GHQ占領下にあった当時、真っ向から反対意見を述べ、法の正義を貫いたことは本当に命懸けであったろうと思います。
本書では、連合国側の検察から訴追された事項(平和に対する罪、人道に対する罪、共同謀議 等)を、国際法の観点から一つ一つ綿密に論破しています。
日本ではこの意見書を拠り所に、日本無罪論といった論調がなされる傾向がありますが、意見書には「日本は無罪である」と言った表現はなく、裁判官の立場から、あくまで「訴追事項に対して被告個人は無罪」と判決を下している点が印象的です。日本無罪論の様な「免罪符的な判決」ではなかったということが分かります。中立的な観点から書かれており、意見書では日本の政策に対する批判も指摘されています。しかし、それでもなお無罪判決を主張したことに「法の正義」に対するパル判事の姿勢が現れていると思います。
日本は無罪だと思いたがる人、逆に日本は悪いことをしたと自虐的に思う人、どちらにもお勧めします。

