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講談社
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地方自治論と学術系民俗学の豪華二本立て
(2005-01-31)
本書は、1955年から60年にかけて著者がさまざまな媒体に発表した「顧みられてこなかった日本の庶民」についての23の論説から成っている。著者はその23編を7つの章にまとめ、そのうえで「前半1〜4は庶民の生き方を、後半5〜7はその生活をうちたてるための教育と発展を」述べたと書いている。しかし一読した印象では、民話や民間伝承、憑き物やオシラサマなどについて民俗学的に語られた6・7章に比べて、農民の勤勉な働きぶりや自然とのたたかい、嫁、出稼ぎ、村の運営や土地の境界争い、山の人などについて描いた前半は、祭の伝承や若者組などを取り上げた5章も含めて、驚くほどリアルな迫力に満ち満ちている。庶民を記録した文章として読むだけでも圧倒的されるが、いま自分の住む地域について考えようとする人にとっては、特にこの前半部分はまっすぐ現代につながる地方自治論そのものであろう。「寡黙な大先輩がそっと教えてくれる具体的な解決策」的な発見が随所に見られて、なんだか心が燃えてくる。庶民である私達の先生になれるのは、やはり先達の庶民の生きざまに他ならないのだ。
庶民の王道、目指す価値あり。地に足がついていることの幸せを実感して下さい。

