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講談社
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カスタマーレビュー ![]()
聡明な外人女性によって書かれた日本近代化の記録
(2007-02-28)
著者のエセル・ハワードはドイツ皇帝・ウィルヘルム2世の子供達の家庭教師も務め、その後島津家の招聘により日本に渡った女性です。「家庭教師」と題されてはいますが、実際には江戸時代同然の島津家家政の大改革まで行い、その役割+苦労は多大な物だったことがこの本からも伺えます。
回想録のため、話が時系列順ではなく、あちこちに飛ぶので理解にやや苦労しますが、それを補って余りある日本に対する洞察力や理解度に舌を巻きます。また、日露戦争の直後に島津家の子弟を率いて朝鮮・中国に渡っていますが、この旅行記録も貴重な物だと思います。
外人が書いた日本の記録には往々にして見下げるような横柄な態度がかいま見えることがあるのですが、この本にはそういう物が無く、著者の人格の程が伺えます。外人に近づく日本人の胡散臭さに苦言を呈したと思えば、同胞の日本におけるひどい態度を赤裸々に暴露して批判しています。
島津家に使えたという立場柄、維新元勲の人柄などが伺えるエピソードなどもいろいろと書かれていますが、これも興味深い内容です。
大名華族やそれを取り巻く(寄生する?)人たちの生活事情や明治時代の同時代記録として、興味をお持ちの方々に是非一読を勧めたい本です。

女性ならではの観察眼
(2005-06-28)
これは講談社学術文庫の「幕末・明治の激動の時代」シリーズの一つである。先日「英国人写真家の見た明治日本―この世の楽園・日本: ハーバート・G.ポンティング (著), 長岡 祥三(訳)」を読んで感動したが、これも大変に面白かった。
明治34年から7年間、鹿児島島津藩の島津家の家庭教師として日本に滞在したハワード女史の回想録である。貴族の家庭での生活の描写が中心だが、女性ならではの繊細な観察眼から、当時の日本の家庭の生活様式を垣間見ることができる。慣れない習慣のなかで気丈に過ごしたハワード女史の力強さや、責任感や忍耐の大切さを身につけた島津家の子供たちの精神的な成熟には、いまの自分の怠惰な生活を省みると身の引き締まる思いがした。

貴族階級の生活を通して見た日本
(2004-06-28)
1901〜1908年にかけ、元薩摩藩主島津家の五人兄弟の家庭教師として、島津家の人たちと共に東京永田町の島津邸に起居した英国婦人E・ハワードの回想録である。彼女が日本での生活で感じたことや、北海道や九州、朝鮮などへ旅行した時の模様などが書かれている。
自然や服装、細かい仕種などの記述に女性らしい視点を感じるが、東郷平八郎や乃木希典をはじめ日本の軍人全般も高く評価している。そして、軍事論や政治論に走りがちな男性とは違った観点からの、日露戦争中の日本国内の様子は興味深い。
彼女が見たのは貴族階級の生活を通しての日本であり、庶民の目から見たものとは違っているのだろうが、それでも当時の日本を知る上で貴重な資料になると思われる著作である。

