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講談社
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カスタマーレビュー ![]()
「ロマンティズム」の正体を
(2005-12-06)
もっとも中国を知っていたはずの「支那通」が、結果としては、中国の近代史のなかで最も重要な底流であった「国家意識の形成と凝集力の存在」を見極められず、我が国を泥沼の戦争へと引きずり込んだ。著者によれば、これは「支那通」が、そのロマンティズムの故に陥った逆説的宿命であったということになる。実のところ、戦後も、今度は左翼系知識人を中心に、あたかも「新中国」こそ地上の楽園であるかのような気分=これも「ロマンティズム」にほかならないだろう=に支配されたわけだが、それから二十数年が経過した今、こんどは「中国はかならず分裂する」類の、これまた逆の「ロマンティズム」が大手を振っている。本書の功績は非常に大きいと思うが、できれば、「支那通」を特徴づけた「ロマンティズム」の正体を、いま一歩歴史的かつ哲学的に掘り下げてみせてほしかった。その点で、敢えて四つ星とした。非常な良書だが、読む側にもかなりの水準を求める点で、読者に媚びる姿勢とは対極にある本である。

快刀乱麻!!
(2002-08-05)
戦前の日中関係は、その後の太平洋戦争を考える上でも重要なため、以前から良い本を探していた。ところが、侵略だ、いやそうじゃないなど、とかく政治問題化しがちな部分でもあり、なかなか良書に巡り合わなかった。
しかし、本書は「支那通」の陸軍軍人を鍵として、実にわかりやすく語っている。辛亥革命から袁世凱、軍閥が割拠して、張作霖爆殺など、複雑でわかりにくかった歴史が見事にわかる。
快刀乱麻である。
ちっとは名を知る人も出てくる。田中義一、板垣征四郎などなど。支那通たちの夢とロマン、期待と思惑が交錯し、満州の権益や欧米列強の思惑もからむ。軍閥を操っているつもりが、結局は、逆に操られていた、という解釈が新鮮だった。ぼんやりとは考えていたけれど・・。
ようやく「善!悪!」を抜きにして、こうした問題を論ずる書が出てきたことを、心から歓迎したい。

