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集英社
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カスタマーレビュー ![]()
答えが何も書いていない。
(2008-06-19)
正直、期待はずれでした。知りたいことの答えが何も書いていない。
冒頭に、この本を書いた動機は、孔子の「七十にして心の欲する
所に従って、矩を超えず」という言葉にあったと書いています。
当然、読者としては、どのようにしてその域に達することができる
のか、いずれ解が出てくるに違いないと読み続けると、あとがきに、
「利己と利他のバランスをとることはとても難しい」と書いてある。
問題設定をしておいて、最後まで読者をひっぱって、この問題は難
しいんですよというのが答えじゃ、あんまりじゃないですか?
あくまで、日々思っていることを書き連ねた随想、エッセイという
ふうに思って読まないと、裏切られた気になりますので、要注意。

私は面白かった
(2008-05-23)
他の方が言ってるように説明が回りくどくて読み辛いかも知れません。が整理しながら読めば主旨はそんなに難しくないので大丈夫です。ただし話の落としどころが観念的だったりするので、感性が合わないひとには不愉快カモです。
私は個についての考察に深い共感が持てたし、話をそう来たか!的な面白い落としどころに持ってきたりしてくれたので全編楽しめました。
とくに雀の話がぐっときました。

欲望をいろいろな方向から見ると
(2008-03-21)
孔子の「心の欲する所に従って、矩(のり)を踰(こ)えず」をキーワードにして、欲望を見ていきます。
脳科学者でありながら、「科学的」にはっきりと答えを出しているわけではありません。
いろいろな角度から見ながら、真実に迫ろうとする「哲学的」な雰囲気がします。
現代人は、欲望を前面に出す「野獣化」しているといいます。
しかし、それを一概に批判するわけではなく、認めながらも別な方向を示していきます。
汗をかいて得た1万円と、ワンクリックで得た1万円は、金銭的価値は同じです。
でも、人間性としてはそれでいいのかという気持ちもあるでしょう。
人間にとって、苦しみは時を経ることによって、大きな喜びに変わることがあります。
欲望は、苦しみを乗り越えた楽しみというような、複雑なものとしてとらえていくという視点が必要なようです。
著者は、欲望の正体はこれだ!という真実を突き止めているわけではありません。
本書を読みながら、右往左往していくことが、欲望を見つめることになるのでしょう。
読み進むうちに、納得するところが、いくつか出てくると思います。

現代科学の到達と論語のクロスオーバー
(2008-03-20)
茂木さんはティーンエイジャーの頃、孔子より老子が好きだった。一方、茂木さんの友だちのMさんはいつも「論語」を愛読していたという。
それから長い時が経ち、Mさんは弁護士になり茂木さんは科学者になった。そして長い時が経ち、茂木さんは孔子の思想的深みが気になるようになり、Mさんは孔子の実践的知が鼻につくようになった。
ある日茂木さんは、現代資本主義社会を動かす果てしない欲望のことを考えているうちに突然啓示のように「七十而従心所欲、不踰矩」・・・「七十にして心の欲するところに従って踰えず」が心の中に浮かび、「孔子は、とてつもなく難しく、そして大切なことを言っていることが、その瞬間に確信されたように感じたのである。」(P.10)
現代世界を言い当てているように見えるダーウィンの適者生存やホップズの「万人の万人に対する闘争」とこの孔子の到達とは一体どういう整合性があるのだろう、という疑問をめぐる知的な冒険、いや冒険といっては語弊があるので、「真摯な人間のあるべき理想郷」の探求が本書だ。
結論は「七十従心」=「無為自然」なのだが、ここに至るプロセスを皆さんにも是非読んで楽しんで頂きたい。
茂木さん、いいなあ。頭がいい上にハートがある。お友達になりたい!

茂木さんの「欲望する脳」の本質は?
(2008-02-20)
集英社のPR誌「青春と読書」への24回にわたる連載の加筆、修正した茂木さんのエッセイと捉えるべきかな。特に本書のタイトルから想定される欲望という文脈だけで語られてはいない。
茂木さんの「知」のポケットの多さと、そのポケットの大きさには何時も驚かされるが、今回は連載を単にまとめたために、文章の連続性は無いので小市民的には理解がし難い。
欲望と言う生物一般の性状は果たして何処からくるのか?誰もが脳と言う物質に起因すると考えるであろうし、その神秘を科学的に知りたいと思う。しかしあまりにも多くの障壁がそこには立ちはだかっているように見える。ここに心脳問題の難しさがあるのだろう。はたしてドーパミンだけで脳の報酬系を絡め取って良いのかどうか。素人には分からない事だらけである。以前、茂木さんが書かれた「感動する脳」ほどの違和感はないのだが、何が茂木さんを最近の矢継ぎ早な書籍出版に駆り立てるのだろうか?
そこに「欲望する脳」の本質があるように思えてならない。

