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集英社
カテゴリー:Book
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カスタマーレビュー ![]()
医療ものの変化球。「医療」+「タイムスリップ」+「幕末史」!
(2008-06-03)
名作「六三四の剣」を世に送り出した村上もとか先生の作品なので、総合的な完成度の高さは言わずもがな。
皆さん、浦沢直樹先生の漫画「MONSTER」はご存知でしょうか?
この漫画は、その「MONSTER」の主人公・天才外科医「テンマ」が、過去の世界にタイムスリップして患者の治療に大活躍する漫画!と書くと判りやすいかもしれません。
多士済々の「医者漫画」のジャンルに「過去の世界へのタイムスリップ」というエッセンスを加えたことで、新たな魅力を引き出すことに成功した。
現代医学では「常識」の知識・技術ですらも百年の時代を遡れば「超人・神の所業」へと変貌する。
しかも時は「黒船来航」に端を発した幕末の動乱期の入り口。
数年後には二百年以上も続いた「徳川の世」が終焉を迎えることとなる。動乱期には多くの英雄・英傑が揃う。
主人公がもし「力や武力や勇気に秀でていたのなら、龍馬や海舟と共に維新回天の立役者となる」道もあったことだろう。
けれど、主人公は格闘家でもなく、戦術家でもなく、只の医者でしかない。
しかも神ならぬ身では、たとえ最新の知識を持っていたとしても救えない命とて当然のように出てくる。
そんな時、他の多くの人が「孤独と絶望の淵に身を任せたがる中」この男はあくまでも一人の医師として、その時代を生きる病に苦しむ人々を救うために立ち上がる道を選ぶこととなる。
そんな姿勢は「龍馬」や「海舟」や「西郷」等の、後の世の偉人と称される者たちと何ら変わらぬ熱い魂を持つことの証明でもあった。
そして道は違っても「同じく熱い魂を持つ者」を磁力を互いに持つかのようにして引き合わせていく。
彼等はいずれも徒手空拳ながら「持つ者よりも強く見える」は何故?
とにかく医学的知識もそうだが、幕末の江戸の描写が丁寧かつリアル。
余程綿密な取材を行っていないと、この描写は出せまい。
このまま話が進めば「龍馬暗殺」すらも阻止してくれそうで楽しみ。

著者の取材のすごさに驚嘆
(2008-05-26)
現代の脳外科医が、ある手術をきっかけとし、江戸時代へタイムスリップする奇想天外な物語。特に近代的な道具もないなか、「麻疹(はしか)」などの患者に対して熱心に治療をすすめる。大変面白く一気に読みました。
著者村上もとか氏の医学・江戸時代の文化に対しての取材のすごさに驚嘆する。

ファンタジーな医療漫画
(2006-11-13)
今時タイムスリップものは珍しくないかも・・と思いつつ読み進めてビックリ!
とても面白いです。
冒頭部分のタイムスリップする所は少々無理がある気もしましたが、
なんだろう・・三十代で仕事ではベテラン、しかし意外と上手く行かない私生活。
そんな今ひとつ満たされない中でタイムスリップして行き着いた江戸の町で、
苦労しながら充実した毎日を送る仁の姿が眩しいです。
圧巻はやはり現代の知識を駆使しながら、当時の器具を使って治療、手術するシーンですね。
手術シーンは漫画でも結構気分が悪くなるものがありますが、
村上もとかさんの絵なら大丈夫でした。
お医者さんを主人公にした漫画は多く、気にはなっていたのですが、今ひとつ手に取るまでには到りませんでした。
この作品はファンタジーでありながら、重厚な医療漫画であると思います。
大切なのは助けたいと思う気持ち。
物が無くても知恵が湧く。
今一番楽しみにしている作品の一つです。

3つ子の魂
(2006-05-28)
村上もとかといえば,往年の名作『赤いペガサス』が思い起こされる.『赤いペガサス』でも実在の人物を交えたきわめてリアルなF1レース界の描写と,兄妹の枠を超えたユキ・アカバの自己犠牲的な愛が印象的だったが,30年を経た本作品でもその基調が踏襲されているのは3つ子の魂と言うべきか.しかもその完成度にはますます磨きがかかり,江戸の描写はきわめてリアルに,作画はため息が出るほど美しい.吉原遊郭の風俗や,江戸後期の医療界事情など,なかなか漫画ではお目にかかれない題材が描かれており,単に江戸風物誌として読んでも楽しめるが, ユキ・アカバに相当する2人の女性,咲と野風(後続で登場),の献身的な愛と主人公仁のひたむきな生き方が,物語に凛としたテイストと深い感動を与えている.人間の尊厳とか美しい生き方とか,今では死語となってしまった感があるが,本書を読むとそんな美徳の重要性も再考させられる.漫画好きにも漫画嫌いにも薦められる,純文学系SF漫画の傑作だ.

漫画を読まなくなった人に読んでもらいたい漫画
(2005-12-12)
西暦2000年から幕末の江戸にタイムスリップした医師、南方仁の奮闘を描く。
タイムスリップという漫画的な飛び道具アイデアと、複雑な事情の人情話、歴史的背景、詳細な医療知識などの精巧な要素が実に緻密に融合されていて読ませてくれる。また、ヒューマニズムの王道的な話を興味深く、スリリングに読ませる構成力、完成度の高さは近年のエンターテイメント全体の中でも群を抜いている。絵の綺麗さといい、考えられたコマ割りによる適切な情報の盛り込み方といい、文句のつけようがない。これぞ技術で感動を与えるプロフェッショナルの仕事です。出来るだけ村上先生にこの作品を続けてもらいたい。村上先生のみならず、ここ何年の漫画史上でもエポックメイキング的な作品だと思う。
表現が幼稚だとか、話自体が単調だからなどの理由で漫画を読むことがつまらない、または読むことをやめたという類の読者にお勧めしたい。
筆者もこの漫画がきっかけでまた漫画を読むようになりました。

