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新潮社
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カスタマーレビュー ![]()
正直に言おう!
(2007-04-18)
はっきり言って、おもしろくない。人の感じ方は千差万別だから決め付けるつもりはないが、これが小林秀雄の最高傑作だ、というのは、内容とは別の思い入れがあるとしか思われない。たしかに、比較的最初のところで、宣長に到る江戸思想史のようなものが語られ、そこはなかなか読み応えがある。そのうえ、「科学」として「生活」からどこか遊離していくような近代の諸科学とは違って、個々の個性と生活に結びついていくような「学問」のあり方が、示唆的であり、確かに「何か」に触れるような予感が与えられる。が、基本的には冒頭の折口信夫との勿体つけた書き出しとか、信念・思い入れが先行しまくっている全体の論調は頂けない。「モオツアルト」や過去の諸作品の中の良くない部分が総括されたような悪さだ。なによりも「退屈」なのだ。どんどん引き込んでいくような牽引力は、話の面白さか、でなければ、悪戦苦闘してでも発露しようという強固な「思想」への意志がなければ、まず無理である。「考えるヒント」のなかの徂徠らの小編はむしろ見事で、あのように語る古学との邂逅を、本書に期待したが駄目だった。著者はたまに鴎外の史伝に言及することがあったが、もしかすると、「近代」以前の「思索」の独創性を回復したいという点で鴎外に通じるものがあったのかもしれない。それが実っていないとなると残念に思うが、読者の無闇で勝手な期待でしかないことは分かっている。

書評に
(2005-10-15)
付け加えるとしたら、この作品が、氏の最高傑作と思う。皆さんどう思われますか

信じ、愛する哲学
(2005-02-15)
難しい本ですが、1日10ページ程度のペースで徐々に読み進めていきました。「倦まず、怠らず」という宣長の言葉に従い、宣長と小林にすがり付いて、時に立ち止まり、前に返りながら読みました。それがこの名作の読み方だと思ったからです。
読むほどに、宣長が好きになっていきました。前向きな力をもらえます。宣長は「源氏物語」=紫式部に自らを重ね、小林は宣長に自らを重ねながら、それぞれの思想を深めていきます。その確かな足取りが感じられます。
他人がなんと言おうと、自分がこうだと思うことを素直に信じる熱い人。宣長の「源氏」を評する態度が、作者を信じ、深く愛する心に基づいていることを知り、小林は深く共鳴しています。それこそ、小林が「様々なる意匠」を書いた若い頃に獲得し、生涯変わらなかった批評の態度であり、宣長という力強い理解者を得た小林秀雄の静かで深い喜びが聞こえてくるようです。
小林秀雄の講演のカセットテープが新潮社から出ています。「本居宣長」を理解する上で役立つだけでなく、こちらも大変、面白い講演です。あわせて聞くのをお薦めします。

歴史好きには是非お薦めしたい1冊です
(2004-01-08)
本著は小林秀雄氏の作品ということで
難しいのではないかと感じてしまい
遠慮してしまう方が多いのではないでしょうか。
しかしながら、本著は広く歴史に興味がある方なら
楽しく夢中で読むことができると思います。
また、言葉一つ一つに深いものがあり、
文学という観点からも今さら言うまでもなく
大変すぐれた大作であります。
普段小林秀雄氏の作品を読まれない
歴史好きに是非お薦めしたい1冊です。

渋く輝く
(2003-06-30)
本居の原典を読む前に、小林さんのこの本を読みました。
終始一貫して滋味ぶかい読み応えで、刺々しさが全くありませんし、
小林さんの情熱や優しさが伝わってきます。
最初の100ページくらいまでは、淡々とした序奏と言った感じで、
徐々に本論に入っていくのですが、絶えず宣長と小林さんの
呼吸が合っており、「読者を驚かせてやろう」「奇抜なことを言ってやろう」
などと言う、卑しい考えは毛頭ありません。
自らの思いをストレートに伝える宣長さんと小林さんが
この本の中で出会っているような気がします。

