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新潮社
カテゴリー:Book
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発売日:2007-08
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カスタマーレビュー ![]()
忘却は死か
(2008-07-24)
人気作家、池澤夏樹氏のご尊父にあたる作家。現代作家を中心に読む読者であっても、興味をそそられるところだが、そのストーリー、表現、構成において、完璧な調和。読後には、人間のはかなさのようなものが心にのこる。美しい一遍。

人生の意味を真摯に問うた傑作
(2008-01-06)
ある家族の物語。
悲痛。
テーマは愛、憎しみ、罪、贖い、魂の救済。
父と長女、
父と次女
この2関係が、それぞれの形で最後に和解に到達してくれたことで救われた気持ち。
この終わりでなかったら、居た堪れなくて読後感最悪だったかもしれない。
それにしても、果たして、人は救われることなどあるのだろうか。

名作は、草の花だけではない。
(2007-11-15)
福永武彦。偉大な作家である。
彼の作品をいろんな人に読んでもらいたい、
知ってもらいたいと、切に思う。
だが、彼の作品の数々が絶版の憂目にあっている。
現状は厳しい。
そんな中での「忘却の河」復刊。
名作は手元に置いておきたいものである。
本屋に並んでいて欲しいものである。
「死の島」の復刊も願う。

静かに圧巻
(2007-09-20)
帯には、『人生に二度読む本』とあった。かつて、この作品をタイムリーで読んだ世代の為に、再び文庫本として世に出たのならば、初めて読んだ私も出版社の良心や美意識をちょっとばかり感じました。ベストセラーのリストを見ては読みたくないかも、の連続。書店では一冊も手にする事無く帰宅する事も少なくない。ネット書店を通じて、気軽に手にしたこの一冊の余韻に浸っています。家族それぞれの秘めた胸の内をもしそれぞれが知っていたならば、ここに出てくる家庭の様子も違っていたかも知れないのかな?けれども、多くを相手に語ることはないけれども、心の中での語りの部分、その深さに愛情を感じました。空気を読めと実生活の中で言われても、何でよ〜!と思ってしまいますが、逆に語らない、その部分を慮っていく事も大事なんだなと思いました。

これはまちがいなく名作です
(2007-09-09)
連作長編である。
それぞれの物語は、主人公の独白で構成されている。
40年前が舞台になっているので少々古めかしいが、普遍的なテーマを扱っているから第一章を読み終える頃には違和感はなくなる。
若かりし頃、自分の優柔不断が原因で自殺した恋人、自分より遙かに若い戦友の死に立ち会った体験、藤城は孤独な思いを抱えたまま年を重ねている。
物語はそこから始まるが、藤城が主人公と定まったわけではない。
漂泊の魂と孤独な愛 というバトンが次の走者に手渡されるのである。
今の若い人が書いた小説は、個人が持つ焦燥感についてはよく表現されていると思うが、なぜ焦燥感があるかの分析はしていない。
『イライラするのよね、でも満たされるときもあるからそれはそれでいいんだと思う。 とりあえず今の恋人は大事にしたい。 いつか幸せになれるかもしれないし・・・』
読み手は共感するけれど、そこまでで終わりである。
人が生きるのは大変なことである。
しかし我々はいずれは死んで忘却のかなたに去っていくのだ。
人はなにを手がかりにして生きていけばよいのだろうか。
当時46歳の福永武彦は、このテーマに正面から取り組んで、登場するそれぞれの人物に答えを出している。
久し振りに、小説らしい小説を読んだ。

