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中央公論新社
カテゴリー:Book
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カスタマーレビュー ![]()
あらゆる「タイトル」への知的で論理的なこだわり
(2002-09-03)
「魔力」というタイトルだが、怪しげな本ではない。私たちの身の回りの名前やタイトルの成り立ちや意味を、知的好奇心旺盛に分析してゆくもの。後半、絵画のタイトルについて論じている部分では、ワトーの《シテール島への船出》とかブリューゲルの《イカロスの墜落》が話題になるなど美術史的でもあり、アカデミックな印象だ。著者の論理的な文章は読むのに時間がかかるが、内容は明快である。分析が厳密で、ふつうの人が見過ごすようなことを指摘している。例えば、ソシュールやフレーゲなど欧米の学者たちの見方では説明しきれない、日本の人名の意味について指摘している。欧米では聖人名をつけることが多いので、同じ名前を持つクリスチャンの同朋が多数いることになる。これは、日本の命名のあり方とは大きく違うものだ。本書は、社会的に大きなテーマで問題提起などしているわけではないので、そういう意味でのインパクトはないかもしれない。しかし、身の回りの些細なことに研究の着眼点を見出す「問題意識」や、考察を明確に筋道立てて進める「論理性」とはどういうものかを教えてくれると思う。巻末に、タイトル論につき、内容解説入りの文献案内がついている。

