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河出書房新社
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カスタマーレビュー ![]()
確かに満州を知るべきだ
(2008-03-19)
イデオロギーうんぬんの前に知ることは非常に大切なことだ。
他の文章だけで成り立っている本ではこの国がどうなっていたのか
想像するのが難しい。
しかしながら、以下の史実は忘れるべきではないし、これを知らない
者は、満州について語る資格はないので述べておく。
満州に対し日本軍が侵略をし、その地に住む住人を追いやった。
これはアメリカがインディアンに対して行ったことと同じである。
侵略か否かはイデオロギーではなく事実である。
自国の主権が及ぶ範囲を超えた地域を軍隊をもって占拠することは
紛れもない侵略である。
大日本帝国は、この地に開拓団を多数送り込んだ。それが目的だったのか
が不明であるが、いずれにしろ開拓団を送り、軍事力により満州を
守備し、都市を作った。新開地の開拓に日本人は心踊り、大挙した。
満州国と言う国家を作ったのは、便宜的なものであった。すなわち
他国を侵略しているのではなく、満州国と言う国がありその同意の元
日本人や軍人が駐留したという事実を作ったのである。
そのため、都市整備に多額の出費をしたし、満州国に籍を置くものから
租税を取り立てた。多額の出費は他の地を侵略したことにより得た金銭
もその基になっている。
以降満州国がどのような道をたどったのか、開拓は成功したのか、
どのように滅亡したのか、そもそもどのような経緯で満州国ができたのか、
について他の本で読むといい。
なお、日本が占領した地域にはインフラが行き渡ったというようなことを
述べるものがいるが、それはあくまで結果である。大東亜共栄圏がいつ
どのようにして作られたのかも含めてよく考えてものをいうことが必要で
ある。日本軍を歓迎したという欧米の植民地だった国の独立運動指導者
について述べている者も多いが、その後日本軍に幻滅していると言う事実
を敢えて伝えていない。

建築と鉄道から見た満州の現代史−−戦後生まれの建築家によるイデオロギー抜きの満州
(2006-08-11)
目から鱗(うろこ)が落ちる本である。−−この本は、1960年生まれの建築家である西澤泰彦(にしざわやすひこ)氏が、旧満州の都市を建築と鉄道から語った、満州現代史の本である。著者のそうしたバックグラウンドを反映して、イデオロギー的叙述は殆ど無い。その代はりに、ハルビンのアールヌーヴォー建築を論じながら、ロシアにとって、ハルビン建設とはいかなる国家事業であったのかを論じたり、大連の病院建築から、日本の満州経営がいかなる物であったかに話を進めると言った様に、技術者の視点から、満州の歴史を回顧して居る。−−文章は面白く、写真も豊富である。
この本に掲載された多くのカラー写真から、同じく戦後生まれである私が痛感する事は、私達戦後生まれの日本人が、いかに、満州を知らないか、と言ふ事である。近現代史に関する話は、とかくイデオロギー的な物に成り勝ちである。満州も例外ではないが、そう言ふ話をする前に、とにかく、満州とは、どんな所だったのか?を知るべきではないだろうか?その一歩として、満州に残されたロシアと日本の遺産を、とにかく目で見て、客観的に知る為の本として、本書を心から推薦する。
(西岡昌紀・内科医/戦後61年目の夏に)

