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春秋社
カテゴリー:Book
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カスタマーレビュー ![]()
フランクル理論を真に支えるものを見る-訳に問題は見ない
(2005-08-19)
「回想録」という表題から明らかではあるが、この本は、理論そのものの展開ではなく、フランクル理論の背景の骨をなすともいえる事柄ー両親、家族、人格形成等が初めて明らかにされている。さらに、彼の理論の誕生とそれを貫く事にまつわる医学界での軋轢、障害と苦難(穏やかで控えめな言葉ではあるが)等も明らかにされている。原題「私の書物に記されざりしこと」から推されるように、それまで精神医学者として一人でも多く人を救うという事を本命に自己の理論を訴え綴る事に精力を費やしてきた著者が、晩年初めて私事に焦点をおいて語っている(強制収容所での体験除く、そこでの特異の体験は「夜と霧」で既に語られている)。その中に、フランクルの変わらぬ真摯な態度を、まだ青年の萌芽の時期から、そして執筆時にいたるまで一貫して見てとれる。「夜と霧」と並び、彼の言葉によって多くの苦しむ人達の心が救われたという真実を思い起こさせる一品である。
尚、訳については、私は何ら問題があるとは思わなかった。

内容は素晴らしいが、翻訳は劣悪
(2004-07-11)
ビクトール・フランクルといえば第3ウィーン学派と呼ばれる実存学派精神療法理論を打ち立てた精神科医としてよりも、アウシュビッツ強制収容所での体験を基にした「夜と霧」など一連の著作で知られる。本書はフランクルによる自叙伝であり、彼の思想とロゴセラピーの発展を理解するには貴重な一冊である。またこれまで知られなかったフランクルによるフロイドやアドラーの思い出など、専門家にとっても役立つ一冊である。
唯一の難点は翻訳が極めて未熟で日本語になっておらず、極めて理解しにくいことである。連体止めや日本語では通常用いない言い回しは言うまでも無く、何度読み返しても理解に苦しむ個所が頻繁にみられる。一例を挙げると「三人の吸引力のあるゲスト講師」(164ページ)と言う表現に出くわすが、これなど日本語とは呼べないであろう。またUnited States International University という固有名詞を「合衆国国際大学」などと訳すのも問題である。
翻訳さえ日本語になっていれば星5つである。

