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Michael E. Porter 土岐 坤 小野寺 武夫 中辻 万治 戸成 富美子
ダイヤモンド社
カテゴリー:Book
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カスタマーレビュー ![]()
大作
(2006-01-08)
本書は、ポーター教授著の書籍の中で、最も面白かったです。ある産業の成功企業が、どうして、特定の国、あるいは都市に集まるのか?本書を読むとわかると思います。また、ある国に成功した産業があると、その関連産業も発達しやすく(成功産業のクラスター化)、要は、国の産業の成功はランダムではない、ということがわかると思います。また、企業がプレッシャーに晒され続けると、イノベーション(生産整備、その他の効率化)が起こりやすい、ということもわかると思います。
たとえば、イタリアでは、タイル産業が発達していますが、この結果、関連産業のタイル製造機業でも、国際的成功企業が生まれました。また、60から70年代の円高(プレッシャー)は、日本の自動車産業に、生産設備等のオートメーション化(イノベーション)を促しました。結果、人件費節約のため、海外に工場を移した米自動車業の工場跡地に、日本の自動車産業は、オートメーション化された工場を建設するに至りました(以上、大雑把な説明)。
本書を読む場合、まず、ポーター教授著の『競争の戦略』を読んで、予備知識を蓄えたほうがいいと思います。また、本書を読む順番ですが、はじめに、5章を読んだほうがいいです。5章が一番面白いからです。1から4章は、内容がやや抽象的で理解困難なので、後回しにしたほうがいいと思います。

国の競争力の決定要因に関する大著
(2004-03-19)
本書は「国の競争力を決定するものは何か」という壮大なテーマに挑んだ大作である。本書の最大の貢献は、プロジェクトチームによる事例研究と歴史研究を積み上げた上で、国の競争優位を作り上げるメカニズムについての理論体系を構築し、各国の経済的成功を研究するための全く新しい枠組みを提示した点にある。
従来、国際競争力を議論する代表的な理論的枠組みは比較生産費に基づく国際貿易論であったが、その分析枠組みは技術や要素条件を所与とした静学的アプローチであり、かつ主に貿易を通じた国際経済関係を前提としたものであった。
しかし、現実には、国の競争優位は少数の関連産業の集積に支えられており、それら企業の継続的なイノベーションや改良、そして企業の多国籍化こそが競争優位の重要な源泉となっていることをポーターは指摘した。そして彼の分析の焦点は、それら企業集積内で発生するイノベーションの源泉は何かという動学的側面に向けられる。
その上で、ポーターは競争優位を分析する単位として従来の産業という区分ではなく、関連産業の集積であるクラスターという概念を新たに提示する。さらに、イノベーションに必要な諸条件を、「ダイヤモンド」―「企業の戦略・及びライバル間競争」、「要素条件」、「需要条件」、「関連・支援産業」―として整理する。そしてこれら各要素の相互作用のシステムとして国の競争優位形成のメカニズムを明らかにしたのである。この枠組みにより過去の様々な国々の成功例を解明してゆく様は、知的感動を呼び起こすのに十分である。
本書の提言は、経済学・経営学などの学問にとどまらず、政府の政策立案にも多大な影響を与えた。本書の影響で、政府の政策は従来の自由放任か介入かという狭い枠組みではなく、クラスターの発展に必要な諸政策―ベンチャーキャピタルの育成、産学連携、高度で専門的な教育・研究機関の整備など―に軸を移したのである。

やっぱりポーターは素晴らしい
(2002-05-05)
企業レベルの競争優位から離れ、国レベルの競争優位について視点を大きく取って書いた本である。
この本の素晴らしいところは、産業の生成と発展のプロセスを経済学のような難解な数学を用いることなく、極めて役に立つフレームワークで説明していることにある。
先進国では不振の産業への対応として、途上国では国際的に競争力の強い産業の育成策として、この本の内容を利用することができる。
理論編で詳しいフレームワークを、産業編ではそれを用いたケース分析を、さらに国別研究で国レベルでの分析の仕方を提示している。
企業とその業界とさらに少し広い視点での産業と、最後に国へとポーターの理論は美しく首尾一貫しているのである。
ポーターはやはり素晴らしい。大著だが政策決定者や、広く産業に携わる人はぜひ読んで欲しいと思う。

