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日本経済新聞出版社
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カスタマーレビュー ![]()
寂聴さんだからこそ発見できた大作家たちの人間味がなんとも言えない味わいを醸し出している珠玉の一冊
(2008-09-22)
著者が若い頃から文学の世界を歩んできた間に接してきた大作家などの見事な人物伝。
普段は声をかけることさえ憚れる様な、また、私にとっては既に歴史上の人物になっている
ような文学界の大物達に変に構えることなく自然体で一人の人間同士として接していく著者の姿が、そのような大物達が垣間見せる人間味を引き出し、そのエピソードを、読者がその場面にいるがのごとく感じさせるほど、生き生きとし、かつ、みずみずしい文章で著者は描き切る。
特に、私自身がその作品を愛している作家については、あの本を書いたあの人は、このような人物だったのかと感慨深く、思わず何度も読み返している自分にふと気付くページも多く、その意味でも、寂聴さんにとても、楽しませてもらった。ありがとう。
本書を読むことにより文学史上高名な作家達に、いままで私が自分なりに抱いていたイメージをくつがえされたことも多々あった。数々のエピソードの一つ一つは読者を時に、唸らせ、苦笑させ、そして、感動させることであろう。
それは寂聴さんという魅力的な人間性を持った文学者の人間に対する愛情や優しさが生み出した賜物であろう。
明治生まれ以降の日本の文壇の大物達の貴重な人物伝として歴史的資料としての本書の
価値も高く評価したい。

評伝を書かせたら右に出る者はいない
(2008-09-21)
久々に先を読み進めるのが惜しくなった本。あまりの面白さに☆5つ。特に三島由紀夫、宇野千代、今東光、遠藤周作、荒畑寒村が面白い。特に色恋沙汰になると寂聴師の筆はますます生彩を帯びる。
寂聴師は以前宇野千代について、「付き合いのあった男が全部一流の男達ばかりで、宇野さんはその良いところをみんな吸収してますます美しくなられた。」と話しているのをテレビで見たことがある。寂聴師も似たようなものだろう。美しくなったというわけではないが、さまざまな一流の人達との交流が、こうした傑作を生み出したのである。
ともかく、「評伝」「伝記」を書かせたらこの人の右に出る者はいない。そう言えば「遠い声」「美は乱調にあり」「諧調は偽りなり」といった女性革命家達を題材にした作品や、「田村俊子」「かの子繚乱」といった女流作家達を扱った優れた評伝をすでに数多くものしていたのだった。

作家達が生き生きしている
(2008-05-15)
たとえば三島由紀夫の項。
瀬戸内さんがまだ作家デビューする前に、三島宛にファンレターを送った。
瀬戸内さんの手紙があまりに愉快な内容なので、三島ははじめて返事を書く
気になったそうです。
そこから手紙のやり取りが始まった。
その三島の手紙の文中に「恩人には何か贈るものですよ、ハハハ」とあり、
瀬戸内さんは三島の好きなタバコを贈った、というような内容です。
瀬戸内さんが作家デビューする前からの交流という点がすごい。
愉快な手紙だと三島に思われ、返事を出させる瀬戸内さんの文才も、全く
無名の瀬戸内さんの手紙に何か共感し、返事まで出した三島もさすが!
瀬戸内さんだからこそ、垣間見られたような作家達の横顔に関するエッセイ
満載です。
横尾忠則のイラストもとてもよく、瀬戸内さんの文章をひきたてているうえに、
それだけでも見る価値のあるすばらしいものです。
日経新聞に連載していましたが、毎週楽しみにしていました。

人物論はかくあるべき
(2008-05-02)
3月までは土曜、4月からは日曜に日経朝刊に掲載されている作家のエピソード集。
忌憚のない表現がそこかしこに見られるが、それぞれの作家に対する畏敬の念が根底にあり、ある種の清々しさを感じながらそれぞれの作家の本質を垣間見ることができる秀逸なエッセイである。平林たい子に「最後の文士」と言われてうれしく、誇らしく感じたとの下りがあるが、登場する作家は何れも文士である。また、男は美男しか扱っていないところが、らしいところだ。
作家の肖像を描いた横尾忠則の挿絵もすばらしい。
瀬戸内寂聴はマスコミに登場する際に衒いを感じ嫌っていたが、どうも本質を見られていなかった気がする。いくつか作品を読んでみようと思っている。

寂聴さんが見えてくる
(2008-04-23)
日経新聞の連載を楽しみに読んできました。
こんなに早く単行本化されるとはとの驚きもともに、再読しました。
錚々たる顔ぶれとの寂聴さんの縁。
寂聴さんの体験と感性を通じて、
知っている人の意外な一面がうかがえ、知らない人への興味が湧きます。
そして何より、寂聴さん自身が一番見えてきます。
現在も連載中です。続刊が楽しみです。
これまで寂聴さんに関しては、法話や講演を聞いたことはありましたが、
小説・エッセイなど文章は読んだことがありませんでし、聞いた話以上の知識
がない読者の言い分で失礼しました。

