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多田 洋介

日本経済新聞社

カテゴリー:Book

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税込価格:¥ 1,995  (定価:¥ 1,995)

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発売日:2003-12-11

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カスタマーレビュー

「新しい経済学」の格好な入門書  (2008-05-14)

 行動経済学(Behavioral Economics)あるいは経済心理学(Economic Psychology)については、内外にそれなりの入門(解説)書があるわけだけれども、私としては多田洋介氏の手によるこの『行動経済学入門』が判り易かったと思われる。ノーベル経済学賞を02年に受賞したプリンストン大学の心理学者、ダニエル・カーネマン教授の研究等をベースとする、行動経済学という「『新しい』経済学の分野」(本書)に関心と興味のある方は、当書で或る程度、「つまみ食い」(同)的にその輪郭を掴むことが出来るのではないだろうか。

 それはそうと、メインストリームの経済学は、「ホモ・エコノミカス(homo economicus)」(直訳すれば、まさに“経済人”)という、「超合理的」「超自制的」「超利己的」な、「感情」を抜きにしたロボットのごとき人間を前提として組み立てられている。ただ半面、こうした経済主体は、規範として、また実証分析の基本概念やその手続き・方法論の面などから、一定の“有用性”があったことは否定出来なかったし(公文俊平『社会システム論』)、それは事実、「経済学に組み込める限りでの人間像」(塩沢由典『市場の秩序学』)でもあった。
 
 さて、上述の極限的な人間像が現実において妥当か、本書にある「最後通牒(最終提案)ゲーム」(ultimatum game)を考えてみよう―無作為に選ばれたあなたと、同じ方法で選ばれた私(Bとする)を前にして、或る人物があなたに「この1000円を君にあげるから、1回でBと分けなさい。ただし、君の一方的に言う金額をBが呑まなかったら、二人に1000円はあげないよ」と告げた。あなたは私に、いくらオファーするだろうか―。このゲームの標準的経済学における均衡結果は、あなたは(999,1)という配分案を示し、私はこれを受諾するというものだが…。

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経済の持つ心理的側面の可能性  (2007-08-31)
面白いですねぇ〜。

従来の経済学は、人々が「無尽蔵な合理性」「完璧な自制心」「極端な利己主義」という特徴を持つことを前提に、人々の行動を分析していることに対して、それで現実の経済現象のすべてを説明することが出来ないとし、心理的なファクターを人々の行動分析で考慮入れることが必要ではないか?というのが本書の主旨です。
心理的ファクターとは、合理性の限界、損失を嫌う、自律能力の限界、相手の態度に応じて自分の態度を決定するといった行動原理です。

確かに自分のことを考えると、やるべきことを先延ばすなんて日常茶飯事だしに、自分に都合の良い情報の優先順位を高めるなどのことは、普通に行っていることです。これらのことが経済活動の行動原理に考慮されるのが普通な感じがしますし、逆にこれらのことが加味されていないことの方が不思議に思えます。

このような心理学的なアプローチに基づく行動経済分析は、人々の現実の行動との整合性が今までよりも高まる印象で、今後の理論的な発展に期待が持てます。とはいえ、今までの経済学の理論が否定されているわけではなく、どのように融合していくかというのも今後の課題とのこと。

文中に出てくる数式はとっつきにくいところがありますが、概念としては非常に分かりやすい本ですので、この新しい学問の入門としては良い本だと思います。

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他分野との関連も  (2006-01-06)
わたしは法学部卒ですが、法律をもっと別の角度から捉えたいと考えている方にも読む価値のある本であると思います。

本来法律学や経済学、心理学、政治学、哲学といったものは相互に分離し得ないものであって、特定の分野だけに傾注しすぎると本質を見誤ることが往々にしてあります。

行動経済学とは経済学と認知心理学を融合した学問です。
人間の非合理的行動モデルが今後法律学へ応用されていくことはまず間違いないでしょう。

とはいっても現在、日本においては行動経済学の研究がそれほど進んでいるわけではありません。
この本を読んで興味を持った方は海外の文献を読んでみることをお勧めします。

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現実経済の説明能力が上がる  (2004-11-27)
経済学が想定する、人間像つまり超合理的・超自制的・超利己的といった前提を現実的に緩めることによって現実を説明しようとすることが本書(行動経済学)の目的です。

内容は、@現実の人間には完全な最適化行動を選択できるほどの計算能力や認知能力はなく、限定合理性を持つ。限定合理性はそれ自体の影響に加えて合理的な人々の行動も変化させることを通じ市場全体にインバクトを与える。
A限定合理性は不確実性を評価する問題認識の局面で生じる。一般に人は複雑な事象をある程度合理的な行動(近道選び)で対応しようとする。近道選びには、代表性・利用可能性・係留効果(本質と関係ない情報にこだわってしまうこと)が知られている。また、他にも自身過剰や認知不協和といった性向も問題認識プロセスをゆがめる。
B更に期待効用仮説に反するものとして、損失回避・得する局面での危険志向性・確率ウェート関数といったプロスペクト理論で説明されるものがある。プロスペクト理論や「心の家計簿」といった考え方で現実の人々の経済的行動は説明可能となる。また、超利己性への批判として、相互応報性は特に注目に値する。労働契約や賃金の硬直性などの説明に現実的な応用範囲を持つ

著者も述べていますが、こうした研究は現実に対する説明能力を高める一方、(本書を理解すれば、間違いなく高まります)ではその成果をどう生かしていくのかが、読んだ人の課題になるのでしょう。

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そうか、行動経済学とはクリシンだった  (2004-07-04)
〜行動経済学という題名に気が引かれて手に取った。
内容を見ると、「クリティカルシンキング」の内容ににている。
買って読んでみると、ますますそのまま。
でも、結局経済活動という日常的でわかりやすい題材であるだけに、理解しやすい。
最近注目の概念であるらしいが、経済にあまり興味のない人も楽しめる。
〜〜
とくに、トンデモ科学や論理的思考や判断学について興味があれば、なお理解は容易。
しかも、読めば集団的な行動、自由主義経済や投機・投信のしくみや落とし穴もわかる。
経済の専門書ほど高くないので買いやすい。
章ごとのポイントや囲み記事の補論が理解を助ける。
ただ、ところどころに説明がわかりにくいところがある。
〜〜
数式が唐突に時々現れるので、ひるまないように。
いや、私の理解力の問題かもしれない。〜

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