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平凡社
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生きた言葉を駆使した円朝の跡をたどる
(2007-02-06)
落語の神様と言われた三遊亭円朝の名を知ったのは、中三の時だったという著者。下谷本郷ゆかりの人だ。天保10年に生まれ、明治33年まで生きている。
足のある幽霊「怪談牡丹燈籠」のネタ本探し。伴蔵がお峰を殺害した幸手堤を歩く。郷土史家にも聞き取り。
江戸っ子の見栄もほころぶ親子の情「文七元結」の舞台、吾妻橋…百両を取られたと思い込んで身投げしようとする文七を長兵衛が止めた。
不況もどこ吹く、見事なのんき「七福神参り」…「昔はこの七福神が皆谷中に祀ってござりまして、毎年一月には現今でも旧弊なお方はお参りに出かけます。是は物の縁起を祝ふだけの事でござります…」
円朝の落語に、元ネタがあったとしても、それをふくらませる想像力、創作性に敬服し続けている著者。本書は円朝への慕わしさのみで書いたという。今、あまり触れることのできない円朝作品の跡をたどり、できるだけ原文を引用している。その言葉の美しさ、おかしさ、日本語でピタリと表される人情の機微、人の世の哀しみが味わうことができる。
書いている間、「言葉は国の手形さ」という円朝のセリフがずっと耳にこだましていたという。多様な文化をもつ日本各地の言葉、生きた言葉を言うのであろう。実に円朝は「生きた言葉」を駆使するお手本みたいな人であった。

