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白泉社
カテゴリー:Book
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カスタマーレビュー ![]()
小松左京の「お召し」が好きなら
(2008-12-04)
BL系かと思って遠ざけていたのが口惜しい。
原因不明・対策不能の大災厄が、社会構造を根本から覆す。
大混乱の中でも、人間性を保ち、踏みとどまり、対応しようとあがく、弱い
けれども強い人々。
混乱の第一世代が、なんとかかんとか、災厄が変えてしまった構造に人間
社会を適応させて生き延びると、世代をくだるにつれて、適応は洗練され
やがては、旧構造を知らない世代、第一世代の苦労を想像できない世代に
なっていく。
そんなときに、第一世代の残した記録、本作では「没日録」が発見される。
小松左京の傑作「お召し」と似た構成で、でもオリジナリティにあふれて
いて、同じくらい傑作です。

大嘘のリアリティ(荒唐無稽などトンデモナイ!)
(2008-11-23)
山田風太郎はどんなに荒唐無稽な設定に見えようが、決して歴史を捏造するようなフィクションを語りはしなかった。「騙り」には、在り得たかもしれない(If)嘘、しかも目いっぱい大きな嘘をついたというだけだ。それは決して、リアリティを損ねるものではなく、むしろその嘘によって物語りは一層のリアリティを獲得した。これこそ作家の栄光である。
鹿島茂は、司馬遼太郎の「小さな嘘」、風太郎の「大きな嘘」と言って、風太郎を讃えている。至極名言である。
よしながふみの『大奥』はどうか?
小さな嘘どころの話ではない。どでかい嘘が、全てをひっくり返すような大転換が設定されている。それは、結構を全的に支配する途轍もない反転だ。
その大法螺にリアリティはあるか? これがあるのだからたまらない。この面白さは、読者自身の現実的な感覚をも反転させる類のトンデモナイ大嘘のリアリティにこそあるのだ。
こういう事態を人類は「革命」と呼んできたのではないか。
3代将軍・女家光が登場して本巻は閉じられる。
ここからは天草の乱など、事件も目白押しだが、寛永大飢饉などにもすでに触れられ、細部のリアリティの細工も流々。知恵伊豆松平信綱の長子は、男装の娘だ。長子相続は女が行なうことになる。由比正雪もお出ましになろうか? すでに狂言回しの役回りで女・吉宗が登場しているから、単純な物語構成ではないが、そこでも作者の力量が愉しみだ。
(このあたり、進行中の雑誌連載を読んでいないので、間違っていればご容赦を)
1〜2巻から、すでに仄めかされているが、5代将軍綱吉のお犬様は「お猫様」として、登場することになるだろう。苛斂誅求の悲惨も最早十分描きこまれているが、大奥や武士階級のような偽りも何もなく女が男の役割を果たさざるを得ない百姓や商人たちの生活では、実際的にも逞しい女達が全てを支えている。これなど、これからのニッポン国の希望ではないか。
封建社会の悲惨は、これから一層凄惨さを増すのだろうか(『カムイ伝』も想起させる?)。
そんな、こんなで本作の大嘘には荒唐無稽なところはない。大嘘のリアリティこそが現実を撃つのである。
不図思うのだが、何らかの病のパンデミックが起こったとき(インフルエンザ?)、多くが生き残るのは女ではないか。特に乳児期の男は相対的に弱いとも聞くし、現に平均寿命は女のほうが長い。医学的に評者はまるで無知だから、憶測で言うが、この点でもリアリティがあるのかもしれない。上野千鶴子は、昔『男流文学論』を書き、いま『おひとりさまの老後』を書いた。後者は少しリッチな女お一人様の実用本。すでにどこかで書いているのだろうが、上野はこの戦闘的な作品をどのように読むのかが知りたい。「老嬢たちの世界」と言えばバルザックだが、それとてもこの現代ニッポンでは、荒唐無稽とはとても思えない。

男が種馬の世界
(2008-10-27)
彼氏がサイボークというドラマ、
子供を産むのは女だから、サイボーク化が進んでいったら男はいらなくなるな〜。
優秀な精子だけが、バンクされてればいいんだし。
力強い男がいなくなれば、戦争だってなくなるし。
とか思いながら見ていたが、
本当にそんな世の中だったらどうか。
はい、もしもボックス開けちゃいました!
というような発想ですが、
あれ?もしかしてそういう歴史だった?日本?
と思ってしまうほど、男女逆転世界への持って行き方に説得力がある!
一人の女が3000人の男を侍らす世界。大奥!
だというのに全く乙女チックでないところがまた良い。

このかわいらしい表紙の女性が・・・殿です。
(2008-08-27)
どうして・・・男性の殿から女性の殿がなるようになったのか・・・その女性第一号の殿はかわいらしい表紙の女性です。大奥・・・。もうなんて感想していいんだか・・。
おもしろい!!読め!!それくらいしかいえません。説明できないんだ!!夢中です。

思わずため息が出るほど
(2008-06-18)
よしながふみ先生の本は西洋骨董洋菓子店を読んでから好むようになりましたが、今までの作品の中でこれほど濃く逞しい作品はないかと思います。
最初は男女逆転と聞いて荒唐無稽な設定だなー等と思っていましたが、そんなことは微塵もありませんでした。
そうなるまでの背景はしっかりと土台から作られているし、隅々まで気を使って描かれているのが分かります。
大奥での逆転なので必然的に男の人が多くなりますが、キャラクターがかぶるということもなく
男の人特有の艶や男性的魅力も沢山見ることが出来ます。
時代物が苦手な私でしたが、ストーリーも順序良く丁寧に進むので何ら問題はありませんでした。
また唯一の女性主要人物の上様はサバサバとして格好良い女性。今後どうなっていくかがとても気になります。
ただやはり全体的には暗い雰囲気。あまり笑いや温かい雰囲気は登場しません。
修羅場が多いです。あまりにも救いがないような、ドロドロし過ぎた物ではないのですが。。。
それでも非常によく出来ている作品だと思うので、☆4つ評価です。

