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集英社インターナショナル
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カスタマーレビュー ![]()
題材はおもしろい。真実は曖昧。
(2008-12-01)
本土からの沖縄移住組ですが、知らない事実が多く、新しい沖縄の一面を垣間見ることができました。ただ、インタビュー内容ではっきりとした真実が解明できないケースが多く、作者の想像(妄想、と作者自身が記述した章もありました・・)で真実がなんとなく曖昧なまま結論付けられ、読み進めるのにはストレスがたまりました。また、まどろっこしい表現が気になる方は、読了は難しいかもしれません。

沖縄人も知らないディープなルポルタージュ
(2008-11-24)
本書は「月刊PLAYBOY」05年10から08年6月号まで、33回にわたって連載した「沖
縄コンフィデンシャル」に加筆修正を施し、五つのジャンルに分けて再構成した
約640頁のメガ・ノンフィクションです。「月刊PLAYBOY」というとヌード雑誌と
いうイメージがあるのですが、割と硬派な連載をしていたとは廃刊後に知りました。
本書は沖縄を五つの切り口からルポをしており、それぞれが緩やかにつながりな
がら独立していますので、関心の高い部分から読むのがいいでしょう。どのジャ
ンルのも聞いたことのない人物が多数登場しインタビューやら資料やら多量に提
示されていますので、興味のない部分は読み進むのがやや苦痛でした。
今まで沖縄モノといえば、戦争の被害を全て引き受けた被害者に謝る、沖縄県民
を一点の汚れもない純真無垢な聖者のように描いた夥しい数の書籍があふれてい
ます。佐野氏は沖縄県民を聖者化することは、彼らを愚弄することとほぼ同義だ
と考えています。この島の戦後60年以上の歳月が流れた事を敢えて無視しようと
する欺瞞と、それにともなう精神の弛緩が垣間見えるといっています。
五つのジャンルの中でもII「沖縄アンダーグラウンド」が読ませました。この
パートでは戦後沖縄ヤクザの発生から始まって現在の勢力地図にいたる暴力団の
消長のプロセスをあまざず描いています。またこれまでほとんど知られることの
なかった奄美大島の差別の歴史と、そこからたくましく立ち上がったヤクザにつ
いても触れられています。
沖縄の政治、経済、社会、芸能に関していかに私たちが無知であったかを痛感す
る一冊です。日本国は沖縄であったこれら戦後の出来事をなかったこととするか
のごとく、歴史教育から徹底的に切り離しています。沖縄にも戦後があり、本土
と同じ60年以上の月日を経ている事は大人として知っておかなければならない事
実なのではないでしょうか。

非常に詳しく書かれていて、感動。また面白く読めた。
(2008-11-12)
沖縄在住です。
それゆえ、タイトルに惹かれ手に取ったが最後。面白い事、面白い事。
何よりも沖縄事情に非常に詳しいようで、地元の人間も知らないような戦後の歴史や事情について
記述されており、大変勉強なりました。
著者は地元のメディア関係者に太いパイプがあるようで、正確な情報をもとに書いたのが本書なのだと納得。
個人的には、2006年にあった県知事選挙についての項が面白く読めた。
現職の知事がどのようにして選挙を戦ったか、を対抗候補らへのインタビューを織り交ぜながら記述していたのだが
「県知事選コンフィデンシャル」とあるように「へえ〜」という知らなかったトピックに驚いたり、本を手にしながら
クスクスと笑ったり。
沖縄県民だけでなく、オキナワ好きの人々にお勧めしたい一冊でした。

沖縄の地を生き抜いた者たちの壮絶なクロニクル。
(2008-10-15)
冒頭で筆者は語る。今作は、本土のジャーナリズムの中で今まで支配的だった沖縄への左翼的自虐的な視座には汲みしないと。そして、その通り、650ページにも及ぶ長編を読み終えて、沖縄の戦前戦後史を賑わした有名無名な人物たちに焦点をあてる事で、戦後63年、今まで正面切って語られる事が少なかったその陰と闇の部分が解き明かされるルポルタージュとなっている。
「海燕ジョーの奇跡」のモデル、伝説の義賊、ヤミ金のドン、反米反基地の闘士、知事選の泡沫候補、国立大卒の老舗クラブのママたち、政財界の陰の黒幕に、山中貞則や瀬長亀次郎、川平兄弟の父親から安室奈美恵の育ての親まで、様々な職業、名士からアンダーな者たちが、深く絡み合い、結びつき、その過酷な状況を生き延びてきた歴史が読み取れる。
そして、また今作では、沖縄本島の奄美ら周辺諸島への露骨な差別、搾取についても言及する。被差別を受けた者たちが、更に差別する過酷な現実に触れながら、本土への早期復帰を果たしながら、沖縄本島からもアメリカからも見捨てられた奄美の人々に、光であれ闇であれ、戦後沖縄の復興の礎となったその生き様のヴァイタリティを見る。
善悪が混沌とした世界の彼方には、やはり基地の街、被差別の街とのイメージが浮かび上がってくる今作、沖縄という数奇で余りに翻弄された辛苦の歴史を辿って来た者たちの壮絶なクロニクルが胸に迫る力作。「月刊PLAYBOY」誌に長期連載されていた記事を基にしているが、あるパートでは「噂の真相」、またあるパートでは「週刊実話」(笑)といった趣で、面白く読める。連載モノだけあって、話題のライブドア事件や守屋事務次官収賄事件も俎上に挙げられる一方、稀代の反骨ライター竹中労の著作が節々に引用されているのが懐かしい。
佐野真一には、今年甘粕正彦についての著作もあるが、個人的にはこちらの方が面白かった。

興味深い話の数々
(2008-10-14)
ラジオ番組に佐野眞一氏がゲストとして招かれ、本の紹介をしていたのを聞いて興味を持ち購入。
はじめにがっかりしたのは、「はじめに」でラジオ番組で語っていたのと全く同じことが述べられてています。著者がラジオで語ったことと、書いてあることが全く同じことに本を購入したことに後悔しはじめました。さらに、全650ページほどある本の90ページくらいに出てくる、「エリート議員の失踪と怪死」では真相を解明できず、インタビューした関係者らの曖昧な回答を紹介するのみ。
不満ながらも読み続けていると、取材する対象者の魅力が表に出てくるためか、興味深い話が次々と続き、最後まで一気に読んでしまいました。取材対象者はどの方も一冊の本になるような経験をした方々なので、一人一人の方のお話をじっくり聞きたいところ。残念ながら、ほとんどの方が軌跡を残されていないようす。
ただし、読者に判断をゆだねるようインタビューを積み重ねるような書き方が、まどろっこしいので好きではないですが。著者のスタイルなのでしょう。沖縄日本復帰2年目の右側通行の時代から時々、沖縄を訪れていたにもかかわらず、この本に書かれていたことは全く気にしたこともありませんでした。当初から知っていれば、より深い沖縄旅行ができたかもしれないと残念な気持ちをいだいてしまう一冊でした。

