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マガジンハウス
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カスタマーレビュー ![]()
インディアン達のシンデレラストーリー
(2006-08-21)
とある雑誌で牧野さんのイラストが紹介され、ついつい見入ってしまった。
パステルを何層にも重ねることで生まれる彼女の絵は、独特の深みが魅力だ。
微妙に変化する色の中には、ゆっくりとした時間の流れがある。
そんな彼女の作品をもっと見たくなって、この本にたどりついた。
空、湖、草原、壁など、広い空間を描いたときにパステルの効果が
最大限に発揮されている。
とくに月明かりの湖面のシーンは最高にいい。いつまでもながめていたくなる。
それだけでも充分に満足できたが、絵本なので話しについても触れておこう。
シンデレラ物語にはペローによるものだけだと思っていたが、実は北米インディアンにも
独自の語り伝えがあり、それをもとに物語化したとのことだ。
両者を比較することによって、よりいっそう味わい深いものになる。
お菓子に例えると、フランス版がカラフルで甘ーいデコレーションケーキだとすれば、
本書のほうは見た目は地味だが口に含むと甘みがゆっくり伝わる和菓子のようだ。
映像的というより、精神的な話しなので、文章だけだとやや退屈かもしれない。
牧野さんのイラストありきの作品ともいえる。

幸せは永遠に
(2006-07-22)
シンデレラのお話といえばウォルト・ディズニーによってアニメ化されたヨーロッパの民話が世界中で知られています。お城の舞踏会と時計台の12時の鐘、そしてガラスの靴。シンデレラストーリーの言葉になっているように灰まみれの女の子から華麗にプリンセスへの変貌は、素敵で、なお嫉ましく、憧れと夢を織りなしていて、今でも世界の少女達の心を魅了しています。
このモカシン靴のお話は北米インディアン『ミクマク族』に伝わるシンデレラのお話です。
どちらも物語的には同じお嫁さん探しの物語だけど、はっきり言って地味です。舞踏会もふわふわのドレスも煌めくガラスの靴もでてきません。題にシンデレラと無ければ手に取ることも無く見落としてしまいそうな絵本のようです。しかし、全体にセピア調の色あいの表紙と霞がかかったような幻想的な挿絵にどんなお話だろうと心がおどる・・・。これぞまさしく『おとなの絵本』だと妙に確信した儘(まま)でした。
王子様ならぬ『見えない人』は、偉大な狩人で透明人間。世話をしている妹と暮らしており、妻を捜していました。妹は『花嫁』になるべき人の審査もしていて、訪れてくる花嫁候補に会っていました。妻になれる為の必須条件は『見えない人』が見える事でした。父と暮らしている3姉妹の末っ子が、父から譲り受けたモカシン靴を履くと、不思議な力で『見えない人』の元へ導かれていき『見えない人』が見えるようになるのです。モカシン靴によってこの末っ子が『見えない人』の妻の座におさまるのでした。
ハッピーエンドには違いない・・・童話にあるべく『末永く仲良く暮らしました』の典型的なパターンだから安心して読めます。シンデレラのお話ですもの・・・。

男性に愛され女性が美しくなる
(2006-06-07)
ミクマク族版シンデレラは外見の美しさが最初からあるのではなく、
本当の美しさが最初は隠されているべきだという発想。
外見だけでなく本来の自分を愛してくれる男性と巡り会うことで、
彼に見初められると美しく変身してゆくモカシンのシンデレラ。
男性に愛され女性は美しくなる。って、こと?

王子様をさがして
(2006-04-08)
北米インディアン、ミクマク族が「シンデレラ」を語り直し伝承してきたもの。
辛い境遇だったとはいえ、魔法の力で素敵な衣装を身にまとい、ガラスの靴を落としてくるという思わせぶりな「シンデレラ」や
王子様がキスしてくれるまで、100年もの間、眠って待っていた「眠り姫」よりも
大好きな王子様に会うため、自分の声とひきかえに人間の脚を手に入れた「人魚姫」が
好き
という人にはおすすめ。

ぶかぶかのモカシン靴を履いたシンデレラ
(2005-06-20)
巻末の中沢氏自身の解説によると、植民地時代、カナダの先住民ミクマク族が、ヨーロッパ人入植者に聞いた「シンデレラ」の話と自分たちの持っていた話(それは少年の話だったかな?)とに影響を受けて創作した、新しいシンデレラ・ストーリーなのだそうです。
村の娘たちみんなが結婚したいと憧れている偉大な狩人は、姿の見えない人でした。
その姿を見ることのできた娘が妻になれるというので、娘たちは着飾って「見えない人」の家へ出かけていくのですが、誰も姿を見ることができません。
母を亡くし、頼りない父と意地悪な2人の姉(1人はいくぶんマシ)と暮らす「肌の焼け焦げた娘」は、ある日ふと思い立ち、父にもらって隠し持っていた古いぶかぶかのモカシン靴、サイズの合わない服や帽子を身につけ、「見えない人」の家へ向かいます。
みっともない格好、そんな醜い娘が「見えない人」と結婚できるものかと笑われるのも気に留めず。
彼女を迎えてくれたのは、「見えない人」と暮らして身の回りの世話をしている、優しくて賢い彼の妹でした。
「見えない人」を見るためには、容貌の美しさや華美な衣装は必要なくて、ただ、清らかな心が必要なのでした。
白い鳥たちが舞う姿、変身する娘、姿を現す「見えない人」など、絵が美しいです。
ちょっとぼんやりして曖昧で、でも不思議に輪郭がはっきりしている。
ぼかしは神々しさを感じさせる気がします。

