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蔵 研也

洋泉社

カテゴリー:Book

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カスタマーレビュー

公益の皮をかぶっているのは政府だけか?  (2008-11-02)
前著『リバタリアン宣言』で、わかりやすいリバタリアニズム入門を描いた著者の続編。前著と同様、本書でも社会への政府の介入を批判している。ただ、本書では日本政府の政策がチグハグであることを強調するあまり、単なる政府批判だけの印象に終始している感が強い。もちろん、著者の意図がそこに無いことはわかっているが、あまり頭を使わない読者が本書を読んだら、ただ政府イジメをしたいだけの本と誤読されるおそれがある。現在の政策の効率性について論じるよりも、そもそも政府の介入とは何かを論じたほうが、リバタリアニズムの伝道にはよかったのではないか。たとえば、政府介入とはちがう視点から論じている第10章は良い出来だった。

一般的な傾向として、リバタリアニズムのようなラジカルな思想は、原理表明をしている時点では元気があっていいのだが、現実論に踏み込むと急に魅力が薄れる傾向がある。その例に漏れず、素朴で能天気だった前著に比べて、具体例に踏み込んでいる本書も、やや分が悪い。政府介入がチグハグでさえなければいいのか? 政治家に働きかける利益団体の行動も自由競争の一種ではないのか? 国民の中にあるリベラル幻想はリバタリアニズムと対立しないのか? それに、そもそも著者は「国家」というものをどう意識しているのか? 政府の延長か、または共同体の一種か、それとも共同幻想として捉えているのか。そういったことも考えて、いまいちすっきりしないものを本書に感じた。

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原田泰さんがイチオシでしたので読んでみました  (2008-01-27)
『週刊東洋経済』2008.1.26号の書評に、
原田泰さんが「私益を公益にすり替え国民を苦しめる国家を批判 」として
1ページを使って書かれていたので読んでみました。

リバタリアニズムという考え方(思想?)について知らなくても
面白く読める本です。
いわゆる小さな政府か、大きな政府かの議論でいえば、著者は
小さな政府志向派ですが、
もっと推し進めて無政府資本主義(アナルコキャピタリズム)を支持しています。
ここば共感できないなー、違うなーという突っ込みどころもあるけれど
そういう面も含めて日本はこうしたラディカルな議論ができていない
状況にあると思います。

最近の日本市場の下落ぶりも、「政策不況」と呼べるような失策が
下落を加速させていることは間違いないでしょう。
道路財源うんぬんで議論している日本を見て、外国人投資家はあまりのレベルの低さに
失望しているのではないかと思われます。

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日本の現状への理性的な怒り方を教える頭脳トレーニング本  (2007-12-10)
「クニガキチント(国がキチンとするべきだ)」という思考を批判した『リバタリアン宣言』(朝日新書)の著者が放った第二弾。「公益」という言葉の濫用によって、われわれの生活が貧しいものになっていることを告発する。政府の許可業者であるがゆえに高額なサラリーを得る電力会社のために公共料金が高いこと、都心の小型低層住宅への過剰な保護のために地方出身のサラリーマンが長い通勤経路と高額の住宅ローンに苦しんでいる事情、食糧安全保障への疑問、売れば福祉財源も得られるはずの電波利権、医師の数を規制することから生じる様々な問題など、われわれが薄々感じつつも思考としてまとめられない課題をアナルコ・キャピタリズム(無政府資本主義)の立場から切りまくる。
この本を「そんなことを言っても政府がなければ、困るでしょう」と読むのは完全に間違い。そんなことを言っているのではなく、ここまで徹底して考えないと見えてこないということ。現状への疑問を理性的な問いに変える頭脳トレーニング・ブックとして読めば、ものの見方が変わるはず。著者の筆致は啓蒙主義時代の『カンディード』のように軽快である。

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