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日経ナショナル ジオグラフィック社
カテゴリー:Book
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発売日:2007-06-28
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カスタマーレビュー ![]()
歴史に対する新しい視点が得られる、一見の価値ありの作品
(2007-08-26)
地理学を中心とした科学的な視点から、地球上にある国になぜ経済格差が生まれたのかを検証した書籍「銃・病原菌・鉄」が映像コンテンツとなった。
その理論の要旨は、地球上にある国に圧倒的な経済格差が生じた原因は、家畜化できる動物の分布や地形の構成、気候など、恵まれた地理的要素が偶然に重なった地域で文明が作られたか否かで説明できる、というものだ。
映像の見せ方は洗練されていて、「説明臭さを極力なくした上で内容を簡潔に理解できる」よう編成されている印象を受けた。が、そこが欠点でもあろう。内容が薄い印象も同時に受けたからだ。映像と書籍ではコンテンツの見せ方が違うので、これに関しては仕方ないかもしれない。しかし、日本語訳は丁寧にされているし、ダイアモンド氏が自ら書き下ろした付属解説書の文面の内容は堅実で、読み応えがあった。
総じて、コンテンツのパッケージングのされ方には好感が持てる。このあたりは、ドキュメンタリー作品を作り慣れているナショナルジオグラフィック社の面目躍如といったところだ。
なお、内容の関係上、本作品を見るにあたっては世界史の簡単な知識が必須だ。ゆえに、事実上、中学生以上の人を視聴者として想定している点には注意したい。

失望
(2007-08-23)
原書を読んでいないのでそれとの比較ではなく、あくまでDVDのみを見た後での感想です。一言でいうと「買わなければよかった。」につきます。
理由は、手抜きとも思われるその構成の単純さ。映像は使いまわしのカットが多く、また本タイトルのそれぞれの要素を原因と仮定し、因果関係の推論と検証を展開するのかと思いきや、ただ繰り返し「地理的条件の違い」が格差の理由だと主張するだけ。原書のネームバリュー(ブランド)を利用し、中身にはコストをかけず、販売数を稼ぐという、アメリカ企業お得意の消費財マーケティングの戦略に見事にはまってしまいました。この商品を買ったことによって、私にとってのナショナルジオグラフィクスのブランド価値は大きく毀損しました。残念、無念、ナショジオのDVDはもう絶対に買わない。

さらっとダイジェスト
(2007-08-01)
ジャレド・ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄』は、「なんで世界はこうなっているのか?」という根本的な疑問に対して「地理的条件が違ったから」と究極的に説明してしまった名著だった。本DVDはそのごく簡明なダイジェストとなっている。
「第1話 文明の始まり」
「第2話 二つの世界の衝突」
「第3話 アフリカへの旅」
の三枚組全3話。第1話でパプアニューギニアの狩猟採集社会を枕に肥沃な三日月地帯と農耕の起源に飛び「銃・病原菌・鉄」モデルの始まりを提示。第2話では地理的条件の違いが生んだ格差拡大とその帰結をインカ帝国滅亡に見る。そして最後のアフリカでヨーロッパ人圧勝の事例を確認し、さらに現在進行中の「銃・病原菌・鉄」を見る。
簡明な構成はいいのだが、インカ侵略物語再現映像を細かく見せる一方で論証や事例が大きくカットされている。残念ながらモデルのうちの銃と鉄=それを生んだ技術革新について一番薄い。そもそも書籍版は進化生物学・歴史学・生理学・言語学など広範な分野の厖大な成果を統合してモデルを組み立てており、その雄大さも魅力だったのだが、このDVDでは基本的にダイヤモンド一人舞台状態に近いのが寂しい。
書籍刊行10年を経ての最新アップデート的趣旨ではない。『銃・病原菌・鉄』への批判や疑問とそれへの回答といったものもない。あくまで教養ソフトである。世界各地を旅しての映像は豪華で綺麗だし、オリジナル音声の英語は平易で日本語吹き替えもしっかりしている。全40ページちょっとの付録ガイドブックでは年表や地図・写真をまじえて各エピソードを手際よくまとめており、ダイヤモンドのテキストは日本への個人的興味を交えつつ世界と日本を展望していて読み応えがあった。
書籍版と単純に比べたら内容が薄く感じるがお門違いだろう。ダイヤモンドの誠実な人柄(特に第3話終盤の様子は必見)もあって、力強く前向きな印象を得られる。星四つ。

