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青草書房
カテゴリー:Book
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発売日:2008-06
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カスタマーレビュー ![]()
冗談じゃない
(2008-09-10)
主題に関わる部分は70ページもない。『徒然草』から八つの章段を選んでそれを並び替え、これは兼好法師の、死んでしまった恋人の思い出を綴ってあちこちにばらまいて隠したと論じる。なるほど、これらのいくつかは、確かにそう読める。著者はあたかもこれを大発見のように言うのだが、「兼好の恋」については同時代の「園太暦」に、伊賀守橘成忠の娘と数年通じていたとあり、徳川時代には兼好恋物語は有名だったのである。それは平凡社東洋文庫『近世兼好伝集成』に入っており、川平敏文の解説に詳しい。なのに著者はそういうことには一切触れないで、今まで誰も兼好の恋に気づかなかったかのように言い、関東地方の某大学を中心とした国文学者は「東びと」であるから恋に気づかなかったなどとふざけたことを言うのである。兼好が高師直の恋文を代筆した話も、司馬遼太郎が『箱根の坂』で、「妻」と「女」を区別して鮮やかな解釈を示したこともこの研究者は知らないらしい。いい加減にしてほしいものだ。

革命的に優秀な徒然草解説書
(2008-09-06)
始め,異様に大きなフォントと柔らかな語り口に戸惑ったが,本来このテクストはインターネット放送で語られたものだとのことで,納得した.著者によれば,これまでの徒然草解釈は専らあづまびとなる何でもそのまま受取る野蛮な連中によるもので,本来の姿を著しく歪めてきた,と言う.もっとよく著者の言い分を聞こうと,手許に正徹本の本文を用意して読み直した.全部の論点において私は著者の判断が妥当で,これまでの実も蓋もない解釈が見当外れだ,と判定できた.私もあづまびとだけれど,著者の言う東日本の某大学で京都びとの友人を得て上方風のセンスも実地で学ぶ機会を持てた.この眼で見ると,従来の解説や注釈は殆ど犯罪的に間違っている.これを教えて下さったこの本と,その著者に徒然草の作者とともに感謝したい.それにつけても,このような理解に微妙なセンスを要する作品を,教科書などに入れてしまうのは即刻やめて貰いたいと思う.教科書には平家物語とか太平記などが無難だろう.強く推薦.

